イギリス大学院留学準備

さて、留学を決意したならば準備をしなければなりません。イギリスの大学院に必要な準備をまとめましたのでご覧ください。

・行きたい大学リサーチ

まず、行きたい大学のリサーチは最も重要です。

・どこの地域に行きたいか
・どの大学に行きたいか
・何の科目を勉強/研究したいか
・大学院を通じて将来的にどうなりたいのか

を具体的に分析して、ある程度意志を固めないと途中で気が変わったりしてしまう可能性も0ではないです、人生何があるかわからないので…

またそれも人生の面白いところなのではないでしょうか

他にも文化が好きとか、街並みが好きとか良い経験になるだろうとか色々な動機があると思います。ですが、留学ですることはあくまで勉学なので個人的には専攻重視で大学を決めました。

なので、勉強したい専攻で大学を探し、そこから立地、知名度などで絞りました。

修士であれば学部との専攻が異なっていてもあまり問題はありません。背景知識がなく、周りの生徒に比べて数倍勉強しなければなりませんが...

実際私の友人にも学部の時と専攻が異なるという人は何人かいますので修士でイギリスに留学するのであれば好きなこと、勉強したいことを専攻にすると良いと思います。

理系→文系、逆も然りなので勉強は大変になると思いますが、可能性は十分広がります。

大学院なので日本で修士号をすでに取得している方や社会人での留学も珍しくないと思います。

修士だけではなく博士から留学する方も当然いるのでそのような方々は自分の研究分野と大学の専攻が似通っているか、適しているか、また教授の方々の研究分野、実績や自分との相性などを優先的に考えて選ぶことがいいのではないかと思います。（自分は社会人経験もなく博士でもないので何とも言えませんが…）

幾つか候補が出たらその大学のHPでコースの内容を徹底的に調べ上げ、できれば教授はその道のプロなのでアドバイスを求めるのもいい方法だと思います。

• 書類（personal statement、推薦状、成績）

次に必要書類です。以下の書類が最も重要で、これらの内容によって合否が決まるとも言えるので時間をかけて準備したいところです。また、イギリスの大学院は先着順で、コースの定員を満たしてしまうこともあるので入学する年の前年10月、11月あたりに提出すると合格率を上げることができます。

専攻にもよるので一概に先着順とは言い切れませんがほとんどの大学は先着順で合格を出し、定員を満たしたら応募を締め切るというスタイルが一般的です。

• Personal Statement（志望動機）

いわゆる志望動機で、合否を決めるほとんどの割合を占める、イギリスの大学院に入学する上で最も重要なものです。大体の大学は“なぜその専攻/大学を選んだのか”や“その専攻を学んでどうするのか、何がしたいのか”を聞かれ、自分の体験したことを基に500~1000文字程度で書きあげます。

一般的にGPAは最低3以上が望ましいとされていますが仮にGPAが低い場合でもここで挽回することは十分に可能です。

ネガティブな情報は書かず、いかに自分をアピールし、その大学に相応しいかが重要です。専攻に関する経験や実績、成績優秀であること、部活やサークルでの経験、留学や海外研修などの海外経験、アルバイトやインターン経験などでもいいと思います。

ですが、なるべくインパクトのある経験で、その経験で何を得て、その得たものが志望する大学にどのように活かせるかに注意しなければなりません。

構成としては
序論：なぜその大学/コースを選んだのか、そこで何がしたいのか
本論１：入学するに相応しいと思われる理由
本論2：理由その2
結論：序論を言い換えたもの

各項目の最初の一文を短く簡潔に書くことを心掛け、読者が読みやすい文章にしましょう。

結論では新しい情報を含ませる必要はありませんが、将来のキャリアにどのように影響するかを少しばかり書けるといいと思います。

最後に出来上がったら必ず添削をお願いしましょう。自分で気づかない文法ミスや単語の使い方、一貫性があるかどうかなどを確認してもらえばより完成度の高いものになります。

• 推薦状

推薦状は教授や会社の上司などにお願いし、自分を大学へ推薦してくれるものです。学校によって枚数は異なりますが、一般的には2通と考えられます。推薦者の方々にお願いする際、多忙な方々もいらっしゃるので早めに連絡を取っておくことやメールなどではなく直接訪問し、きちんとお願いすることが大切です。なので10～11月に提出することを考えると準備期間は2，3か月と見積もったほうが良いと思います。

自分が学びたい学問の教授から推薦状をもらうことができれば一番良いのですが、学部時代に学んでいた学問から専攻を変える方もいるので、簡単ではありません。

そして、その推薦者が自分のことをよく知っている必要があります。そうでないと仮に先行する分野の教授から推薦状を書いてもらえるとしても推薦者が何を書いてよいか困ってしまいますし、推薦状に説得力もなくなってしまいます。

また、推薦者が英語で推薦状を書くことが困難な場合は自分で下書きなどを用意しなければならない可能性があります。

推薦状にも文字数が指定されていたり、専用の書式でなければいけないこともあるので推薦状をお願いする際は推薦者への負担をできるだけ軽くするため自分でその詳細を確認し、正確に伝える必要があります。

自分が出願した大学の中には大学側が直接推薦者に対して連絡を取り推薦状を提出してもらうスタイルでした。

推薦状を書いてもらったら推薦者と内容を確認しておくことが望ましいと思います。事実と異なることがないか確認するために必要なことなのですが、推薦者が自分をどのような人物と思っているかがわかってしまうので少々恥ずかしいと感じてしまうかもしれません。

• その他の書類

・成績証明書
・卒業証明書

これらは英文で用意する必要があります。

学部時代に通っていた大学に訪問もしくは問い合わせ、作成してもらう必要があります。

• IELTS

Reading, Listening, Writing, Speakingから成るTOEFL同様受験料のお高い試験です。

大学によって基準は異なりますがOxfordやCambridgeなどのトップ校はIELTS7.5、Edinburg, Manchester, UCLなどを含む24校から成るラッセルグループという、いわゆる名門大学とされる大学では6.5～7.0、それ以外では6.5が基準になるかと考えられます。

しかし専攻によっても経済、教育など文系科目は要求スコア7.0と高いものもあれば理系科目では6.5というものもあります。

さらに細かく言うとセクションごとに基準が設けられている場合もあります。
例えば　
Overall grade of 7.0 with a minimum of 6.5 in each（全体平均7.0、全セクション最低6.5以上）
Overall grade of 6.5 with a minimum of 6.0 in Writing（全体平均6.5、ライティング最低6.0以上）

また、入学までにIELTSのスコアを満たす特別措置として条件付き合格というものが存在します。出願時にスコアを満たしていなくても仮の合格をもらうことは可能です。

大学によっては出願時にスコアを満たしていることが必須の大学もありますが、英語のスコアを満たしてから出願するとなると出願が遅れてしまうことも考えられます。入学までに条件を満たせないと入学できないというリスクも存在するので、できれば出願時にスコアを満たしていることが望ましいです。

TOEICとは違いスピーキングやライティングがあり、点数を換算することは難しく、受験料も数倍するので数回で結果を出すことが望ましいですが、自分の感覚的にはTOEICで800、900点ほど取れればIELTSのリーディング、リスニングでは7.0くらい取れるのではないでしょうか。

※TOEICのビジネス英語とIELTSのアカデミック英語は全くの別物なので基本的な英文読解能力を基にした目安です。

日本人はスピーキングとライティングが苦手とされているので、リーディング、ライティングでカバーするか、伸びしろのあるライティング、スピーキングを鍛えるか、戦略は人それぞれです。自分に合った勉強法と戦略を立て、スコアを伸ばしましょう！

• 留学資金（奨学金、教育ローン）

大学卒業後、そのまま進学する方にとっては資金調達をしなければなりませんが利用できる奨学金は結構存在します。ですが、給付であっても貸与であっても競争率はとても高く、一つの団体が給付する奨学金の採用人数も多くて2，30人であるところがほとんどです。

・JASSO/日本学生支援機構
・トビタテ！留学JAPAN
・公益財団法人　吉田育英会
・公益財団法人　村田海外留学奨学会
・公益財団法人　平和中島財団
・公益財団法人　伊藤国際教育交流財団

など調べると結構の数の機関が奨学金制度を持っています。しかし、申し込みの期限も大学院出願の時期と同様、前年の10月、11月あたりであることが多いので、早めの準備が必要です。またこれらの奨学金を応募する際にも英語力の証明を求められるので、大学院留学を決意した時点で英語の勉強はしておくべきだと思います。

また日本政策金融公庫では教育ローンとして資金調達をすることができます。こちらは給付ではないので、返済の義務がありますが、一つの手段として記しておきます。

以上が主に必要な準備となります。参考になれば幸いです。

～自己紹介～

自己紹介

はじめまして、イギリスのUniversity of Yorkで海洋環境学を勉強する大学院生、Shoです！

・経歴
2019年3月に日本の大学を卒業し、同年6月からイギリスのUniversity of Yorkに留学中。大学では生物学を専攻し大学4年時にフィンランドに1年間交換留学生として環境学を勉強しました。なので、大学には実質5年在籍していました。

・このブログについて
イギリスの大学院に関する情報や、サイエンスに関しての留学情報をあまり見かけず、これから生物や環境などに関して学ぼうと考えている方には多少なりとも役に立つのでは、と思ったので基本的なことから海洋生物学、海洋環境学など自分の専攻である専門的なお話もできればいいかなと考えています。

他にも日々感じたことや趣味である旅行や釣りや自転車などもそのうち話していきたいと思っています。